総理特使としてサウジアラビア・イラク訪問


1月25日から29日の5日間、サウジアラビアとイラク両国を訪問しました。当初はサウジアラビア1国の予定でしたが、麻生総理から特使としてイラクを訪問し、日本・イラク両国の友好関係構築の使命を果たして欲しいという要請がありました。
 イラクは米軍の増派もあり、治安状況は改善されたとはいえ、依然として不安定要因があります。そのため、安全上の観点から私のイラク・バグダット訪問計画は事前に公表することは避ける必要がありました。総理経験者のイラク訪問は1990年の中曽根元総理以来のことです。

<バグッダド訪問>
 サウジアラビアからヨルダン経由でバグダッドに入ったのは28日でした。空港から市内中心部まで車で移動しましたが、前後に護衛車を配してのノンストップ走行でした。私自身も防弾チョッキを着けました。やはり緊張感があったことは事実です。
 バグダッドではサレーハ副首相、タラバーニ大統領、ハーシミー副大統領と相次いで会談し、今後日本とイラクが様々な分野で協力し、新たな関係構築を目指す日・イラクパートナーシップ宣言の署名式に立ち会いました。
 イラク首脳との会談では、パートナーシップ宣言を踏まえ、日本政府はイラクのインフラ整備、技術協力、経済・ビジネス関係の強化を重点に、さらなる友好関係を構築する方針を伝えました。
 各首脳はイラク復興と安定を目的とした自衛隊の派遣に謝意を表するとともに、「経済分野での日本企業の参入、特に石油開発における日本の技術協力を期待する」との見解を明らかにしました。 
イラクは石油・ガスなどの天然資源が豊富であり、世界各国が油田の権益を狙ってしのぎを削っています。わが国も権益を確保することが重要であり、両国の関係強化は日本の国益につながることは言うまでもありません。

 <サウジアラビア訪問>
 私は総理在任中の2007年4月にサウジアラビアを訪問し、アブドッラー国王にお目にかかりました。今回はサウジ政府の総合投資院主催の第3回グローバル競争フォーラムに出席し、基調講演を行う目的でした。このフォーラムは各国から政府首脳経験者がスピーチするものですが、第1回フォーラムではマイクロソフトのビル・ゲイツ氏が基調講演するなど、大規模な世界的なフォーラムです。
 私は基調講演の中で昨年秋の米国発の金融不安に端を発した世界の経済危機について「百年に一度の危機になる危険性を有している」との基本認識を明らかにした上で、グローバル化している国際経済のもとでは各国が協力して危機打開に取り組む重要性を強調。「イノベーションに裏打ちされた産業や技術の発展こそが豊かな未来をつくる。日本としては大胆な政策をスピード感をもって次々と打ち出す。日本がこの不況から脱出する意欲をもって世界をリードすることが重要」との考えを表明しました。
 基調講演のあとダッバーグ総合投資院総裁と会談し、席上、国王への麻生総理の親書を手渡しました。